東北楽天が5年ぶりの日本一に向けて力を入れる「積極走塁」が実戦で浸透している。オープン戦7試合を終え、盗塁数は12球団トップの13。相手の隙を見逃さない好走塁も目立つ。梨田監督は「キャンプでやってきたことができている。シーズンでも継続したい」と手応えを口にした。
 「よく(足立に)ついて行った」。指揮官が称賛するのは10日の西武戦、四回無死一、二塁からの積極的な走塁だ。6番藤田が中前へ適時打を放ち、一塁走者の代走足立が一気に三塁へ。藤田は中堅手秋山(八戸大出)が三塁へ送球する間に二塁を陥れた。
 この場面に限らず、各選手の高い集中力が光る。4日の中日戦で今江は二盗を決めた後、岡島の左飛で果敢にタッチアップして三塁に進んだ。「誰が飛球を捕るのかを見て、ちょうどいい所に飛んでいったので走った」。左翼手アルモンテが送球体勢に入っていない隙を突いた。
 今江は前日3日の中日戦でも、嶋の右前打で二塁から際どく生還し、チームに勢いをもたらした。立石内野守備走塁コーチは「リードもスタートも良かった。ベテランが意識を高く持つことで全体に好影響を与えている」と説明する。
 東北楽天の盗塁数は昨季、リーグトップの西武が129を記録する中、5位の42と振るわなかった。梨田監督は「今季は70以上に増やしたい」とベースランニングや盗塁のタイミングの取り方などを重点的に強化。ペゲーロ、ウィーラーら外国人選手も大きめのリードを取る。
 オープン戦でオコエと並び、チームトップの3盗塁を決めている俊足の島井は「大きいリードを取れば帰塁だけするつもりでも、投手は気にしてリズムを崩す。相手は走者が思う以上に嫌がっている」と語った。
 ここまで順調とはいえ、あくまで各球団が戦力を試すオープン戦。日本代表コーチも務める清水外野守備走塁コーチは「積極走塁の意識は芽生えているが、シーズンが始まれば無難な判断をしがち。攻撃的な走塁を継続できるかどうかが重要になる」と気を引き締めた。(東北楽天取材班)