東北楽天の田中はパ・リーグの新人王に輝き、中心選手としての自覚が芽生え始めた。3倍超となった年俸にも、いつも以上に低姿勢で一切浮ついた表情を見せなかった。
 今季は「1番・中堅」に定着したが、「105試合しか出ていない」と厳しい表情。来季に向けても「まずレギュラー取りから」と気を引き締める。その上で「打撃や走塁は相手次第で結果が左右されるからこそ守備を重視する部分はぶれずに、全試合出場したい」と決意を述べた。
 この決意には理由がある。昨季までの同僚で選手として師と仰ぐ松井稼頭央(現西武2軍監督)からの「二遊間や中堅の選手が不動のチームは強い」という言葉に「共感できた」からだ。
 8月1日のオリックス戦で、松井稼らパ・リーグ14人目となる左右両打席での本塁打を放ち一つの勲章を得た。将来的には、松井稼に続く両打ち選手としてプロ野球史上2人目のトリプルスリー(3割30本塁打30盗塁)達成を目指す。
 「1月に一緒に自主トレーニングをしたことが、今季の結果につながった。教えを忠実に守り、来季を迎えたい」。背中で周囲に範を示した松井稼のような中心選手になるべく、田中は自己研さんに励む。(金野正之)