16年間の現役生活に幕を下ろしてトレードマークのひげをそり、クリムゾンレッドのユニホームを着て新たな一歩を踏み出した。「すぐに正解を出すと選手の考える能力がなくなってしまう。一緒に考えながら課題を解決したい」と理想の指導者像を語る。
 2010年に打点王と三塁手のベストナインを獲得。勝負強く数々の殊勲打を放ち、ファンをうならせた。三塁の守備にも定評があり、ゴールデングラブ賞に3度も輝いた。1軍で力を発揮するためには「弱い部分を含めて常に自己分析すれば、相手の狙いが読める。大事な場面で冷静になれる」と強調する。
 日本ハム時代の06年夏にめまいや吐き気を繰り返し、「パニック障害」と診断された。プレーはおろか、部屋からも出られなかった。「小さい頃から人前に出るのが得意ではなかった。野球では自分に自信があったが、小さな我慢が積み重なり、一気に噴き出してしまった」
 引退するまで、試合前には毎度、嘔吐(おうと)し、今も時々症状が出るという。「これも個性と思えるようになった。何でも前向きに取り組めるようになった」と語る。「人間性が魅力」と尊敬する同い年の平石監督と力を合わせ、過酷なペナントレースを戦い抜くことができる心身の強い選手を育てていく。