東北楽天の由規が復活に向け着実にステップを踏んでいる。沖縄県久米島町での2軍キャンプでは遠投をこなし、ブルペン入りも視野に入れる。右肩痛の影響で昨季ヤクルトを戦力外となり、地元仙台の球団で育成選手からの再起を図る29歳は「いい球を続けて投げられる確率を高くしていきたい」と意気込む。
 「思っていたよりも調子が上がっている」。仲里野球場のグラウンドに立った由規は、低い軌道での遠投ができるようになり明るい表情を見せた。
 今でも、故障した右肩を無意識にかばう瞬間があるという。「防御反応で痛みが出ないような投げ方をしている時がある」。その不安を取り除くために、傾斜がある踏み板を置き、傾斜の低い方から高い方に踏み込んでのネットスローを続ける。「より高い所に足を置くことで体重が乗り、腕が前に伸びる」と説明する。「股関節や下半身、指先などに意識が向くようになった」と効果を実感する。
 リハビリ組の野手陣の動きにも目を凝らす。「ノックを受けている時も足の踏み込み方やタイミングの取り方が違い参考になる」と貪欲だ。
 チームにもなじんできた。「周りの選手も気軽に話し掛けてくれる。居心地がいい」と話す。
 ヤクルトで最後の登板となったのが、昨年6月の東北楽天戦(楽天生命パーク宮城)。右肩に違和感を訴え無念の途中降板だった。
 「また投げられるチャンスがある」。同じマウンドに立つことを胸に秘めながら、復活を信じて黙々と汗を流す。
(伊藤卓哉)