アーチの応酬となった試合で、最後に苦杯をなめたのは東北楽天だった。
 ベンチから信頼の厚い青山が、期待に応えられなかった。同点の九回、先頭メネセスから三振を奪ったものの、続くルーキー頓宮への初球が甘かった。「失投。絶対に与えてはいけない点」。直球を鋭く捉えた打球は風に乗り、左翼席へ吸い込まれた。
 チームは今季、五回終了時にリードした試合は8戦全勝としていたが、この日は敗戦。試合の流れをつかめなかった要因に、先発安楽の大事な場面で粘れない弱さが挙げられるだろう。
 味方が勝ち越した直後の六回、メネセスの左前打で同点にされ、なお2死一、二塁で頓宮を迎えた。2ボール2ストライクからの勝負球が、足立が構えたミットとは逆の内角に抜け、左翼線への勝ち越し二塁打となった。
 ウィーラーのソロで先制した直後の三回にも、9番の大城に甘く抜けたスライダーを左中間席に運ばれ、みすみす流れを手放している。「右打者の外への制球が悪かった」と安楽。伊藤投手チーフコーチは「点を取ってもすぐ取られる。勝負どころで抑えなければ、勝ち星は付いてこない」と手厳しかった。
 球団創設以来の通算900勝はお預けとなり、今季、オリックスには4戦未勝利だ。平石監督は「やられている。次も全力でいくだけ」と気持ちを切り替えた。(狭間優作)