聖光学院は投打ががっちりかみ合って頂点をつかんだ。打は須田。十回1死一、三塁のサヨナラ機。1ボールからの低めの真っすぐに、詰まりながらもしっかりと左前へ落とした。
 「野手の前に落ちてくれ、それだけでした」。ここまで4打席無安打だったが、強打の聖光学院で4番を張っている意地がある。「自分のスイングを貫く」。信念を通した一振りだった。
 そんな須田を奮起させたのは先発高坂の好投だ。東北打線は決勝まで3戦20得点。準決勝で3発放った1番杉沢をはじめとする左の好打者に対し「真っすぐで内角を突くことができた」(高坂)。無四球完投。非の打ちどころのない内容だった。
 高坂の好投を何より喜んだのは斎藤監督だ。「打線は前から良いと言われてきたけど、投手が仕上がってきた」。春の選抜大会は東海大相模(神奈川)相手に一回持たなかった左腕が、決勝で成長を見せた。加えて主戦衛藤が右肘痛から復活。この大会は好救援を見せている。
 「優勝旗よりも投手陣の充実が一番うれしいよ」。名将の視線は既に夏に向けられている。(今愛理香)