高校野球は夏の甲子園100回大会を終え、次の100回に向けて活性化を図る取り組みが始まった。子どもの野球離れが進む中、日本高野連は「200年構想」を打ち出し、普及に本腰を入れる。女子野球の振興を後押ししたり、大会運営を改善したりする動きもある。東北の取り組みを紹介する。(野仲敏勝)

<会場は抽選後に>
 「地元の球場だったから、平日でも仕事を抜け出して応援に来られた。他の保護者も同じでしょう」。7月、会津若松市のあいづ球場であった全国高校野球選手権福島大会2回戦、会津-会津学鳳。会津の選手の父親(47)は保護者が50人以上集まったスタンドを見渡して語った。
 地元対決になったのは、福島県高野連が夏の福島大会で取り組んでいる「球場後日決定方式」のおかげだ。出場校ができるだけ地元に近い球場で試合を行えるよう、1、2回戦(年によっては3回戦まで)は組み合わせ抽選会の結果を見て、会場を割り振っている。
 1993年のJリーグ発足によるサッカー人気で、急激に落ちた観客動員の回復を狙い、99年に始めた。福島大会の入場者数(大人)は導入前の2万~4万人台から4万~5万人台に回復した。
 選手からも「家族らお世話になった人の前で恩返しのつもりでプレーした。地元の球場で最後の夏に試合できたことを感謝している」(会津学鳳の氏家慶明主将)などと好評だ。福島の取り組みを参考にしようと、青森県や秋田県の高野連からも問い合わせがある。
 福島県高野連は普及の面でも、今秋の県大会から新しい取り組みを始めた。会場の一つ、白河市の白河グリーンスタジアムにティーボールの体験コーナーを設け、野球観戦に来た子どもに「ちょっとやってみない」とバットを振ってもらった。
 ティーボールはティーと呼ばれる棒の上に球を置き、静止した球をバットで打つスポーツ。子どもへの野球普及の手始めとして、日本高野連が各都道府県の高野連に道具を配り、活用を呼び掛けている。
 「球場で野球を見たばかりの子どもだから、関心は高い。こちらから学校などに出向いてティーボール教室をするより、反応はいいのではないか。来年度は他の球場でもできるようにしたい」と福島県高野連の小針淳理事長(58)は話す。

<健康管理も課題>
 健康管理の面でも、大会運営に改善を求める声は多い。今夏の甲子園は吉田輝星投手(秋田・金足農)のチームを準優勝に導く活躍に沸いた一方、連投が議論を呼んだ。観客らの熱中症対策も課題となっている。
 その声に応えるように、福島県高野連は来夏の福島大会の開催期間を、今年より3日長い19日間にして、予備日を増やす方向で検討している。2020年東京五輪に向けた県営あづま球場(福島市)の改修などで使用球場が減るための見直しだが、結果として選手が休養を多く取れる日程になる。
 熱中症対策としては、1日2試合行う会場でも、第1試合を午前9時開始に早め、午後の猛暑の時間帯を避ける方針だ。「審判員ら運営側の負担減にもなる」と小針理事長は話しており、成果は注目されそうだ。