古川高野球部は昨春からOBの茂泉公己監督(44)が指揮を執ってきた。就任1年目で母校悲願の甲子園出場はならなかったが、「夏こそ自力で勝ち取る」と再起を誓った。
 午後3時すぎ、部員と共に金和宏校長から落選の知らせを聞いた。「最後のあと一歩が遠い」。駆け付けたOBらと話すうちに、涙をこらえ切れなくなった。
 指導者を志したのは27年前にさかのぼる。1992年7月、高校3年で迎えた夏の宮城大会2回戦。ベンチから仲間の逆転を祈るも、白石高に5-9で敗れた。悔しさとともに「後輩たちには力を出し切ってもらいたい」という思いがこみ上げ、指導者の道を目指すことを決意した。
 大学卒業後に県の英語教員となり、教壇に立ちながら野球指導に当たった。2014年は佐沼高を率いて夏の宮城大会で決勝まで進んだものの、利府高に1点差で屈し、あと一歩で甲子園出場を逃している。
 昨秋は母校を57年ぶりの東北大会に導き、粘り強い戦いぶりで4強入り。21世紀枠出場校の有力候補に挙げられたが、またしても聖地は遠かった。
 「最後の一歩は並大抵の努力では埋められない」。改めて道のりの険しさを感じたという。「みんな敗戦や失敗をエネルギーに変えて成長してきた。今の悔しい気持ちを、前に進むエネルギーに変えよう」と選手を励ました。