土俵際で盛岡大付打線に火が付いた。
 九回は先頭佐々木が出塁したが、3、4番が中堅に打ち上げてあっさり2死。そこから小野寺がしぶとく右翼線に運んで二、三塁とすると、打席には八回まで唯一長打を放っていた小川。「絶対打てると信じて臨んだ」。追い込まれてからの直球を右前にはじき返して同点打とした。
 八回までわずか2安打、11三振。自慢の強打は今大会屈指の右腕岩本に完璧に抑え込まれた。直球の伸びは予想以上。2巡目以降は変化球に手を焼いた。チェンジアップは真っすぐと軌道が同じで、スライダーも切れがある。緩急をつけることはプラン通りだったという右腕の術中にまんまとはまっていた。
 それでも六、七回は先頭打者が出るとすかさず得点圏に走者を送っている。目に見えないプレッシャーをかけ続けたことが最後に実を結んだ。終盤は球威が目に見えて落ちた。十一回は2四球と失策でつくった1死満塁の好機から、右腕の悪送球でサヨナラに。無安打で歓喜を呼び込んだ。
 九回の粘りをたたえたのは関口監督だ。「追い詰められたあの場面で打てるのは、自分のチームながらすごいと思う」。最後まで諦めなかった選手を褒めた。(今愛理香)