守りから攻めへ。県北の伝統校、佐沼は従来の方針を180度転換し、初めての甲子園を目指す。

 春の東部地区大会は4試合で実に32得点。犠打は三つだけで、果敢に振り抜いて得点を重ねた。春の県大会は準々決勝で東北に屈したが、8強入りしてシード権を獲得した。

 きっかけは昨夏の宮城大会だった。2回戦の柴田戦で好投手柴崎の前に3安打に封じられた。新チームで主将に就任した千葉は「打てなければ勝ち上がれないことを痛感させられた」と振り返る。

 秋から練習に取り入れたのは「縦振り」と呼ばれるトレーニングだ。山なりの球をゴルフスイングのようにすくい上げることを繰り返し、確実に強く振り抜くイメージをしっかりと身に付けた。冬場は理学療法士の指導も受け、腰の回転や股関節の使い方を改善し、より打球に力が伝わるフォームを習得した。

 千葉は東部地区大会で打率4割台の成績を残した。昨夏までは速球に押され、力のない打球を打ち上げることが多かったが、「今は向かい風でも打球が伸びるようになった」と手応えを感じている。

 野球に対する取り組みでも改善を図った。従来は毎週月曜のみ練習を休んでいたが、火曜もオフにして連休とした。松井監督は「練習時間は減るが、体を休めることも大事。精神的にも好影響をもたらしているようで、オフ明けは選手もいい表情で野球に臨めている」と話す。

 2014年に決勝まで駒を進めたが、同じ公立校の利府に1点差で屈している。当時中学生だった千葉はスタンドで応援していて、悔しさを味わっている。「自分たちの世代で優勝したい思いが強い。打ち勝つ野球で今年の佐沼は違うと思わせたい」と闘志を燃やす。