岩手・大船渡高の佐々木朗希投手は内面も高校生離れしている。11日開幕の全国高校野球選手権岩手大会を控えた記者会見で、マスコミに360度囲まれても自然体だった。さらにカメラマンに「もう一歩前へ」と立ち位置の修正を求められると、視線を足元へ。記者たちが置いた無数の小型録音機を拾って一歩前に並べる気遣いに、恐縮してしまった。

 いざ取材開始。4月に高校史上最速163キロを記録し、一躍時の人となった心境は、と問われると「あまり気にしない」とどこ吹く風。それどころか「いろいろな方に応援していただけるのをプラスにしたい」とまで言う。

 163キロを出した時、「春のうちに出したかった」と語った理由が気になっていた。強打者がそろう日本代表合宿だからというのが通説だったが、やはり違っていた。

 「一度出しておけば、160キロを投げなくてはいけない重圧が消える。春から投球術を磨く方に集中しやすくなった」。先々を考え、意図的に163キロを出したというから驚く。

 大谷(エンゼルス、岩手・花巻東高出)の日本記録165キロの更新について聞かれても至って冷静。「あと2キロの壁はすごく高い。でもトレーニングしていけばいつか出る」。目標に向け、しっかり足場を固めようとしている。(金野正之)