打つ手は打った。仙台はほぼ完璧な試合運びだったが、逆転というドラマは起こせなかった。
 準々決勝進出へ3点を奪うのが最低条件だった。前半で2-0とリードする押せ押せの展開から悲劇が待っていた。後半24分に痛恨のアウェーゴール。8強入りの可能性がしぼみ、悔しさで倒れ込む選手もいた。
 先手は取った。2日の第1戦で「3-5-2」だった布陣を湘南と同じで1対1の局面をつくりやすい「3-4-3」に変えた。初戦で湘南の最終ラインの背後を突きやすかったことや、相手DFが食い付いてくることは確認済み。シャドーストライカーに入った石原が中盤に下がって相手をつり出し、前線のスペースにパスを供給した。
 1トップに入った阿部は「3トップが押し込み、後ろの選手も連動して付いてきてくれた」と振り返る。
 ほぼ敵陣でプレーし、シュート数は18本と湘南の4本を大幅に上回った。湘南の曺貴裁監督に「この試合はほぼ一方的で、100パーセントの敗者」と認めさせた。後半に再三の好機を逸したのが悔やまれる。
 目標の決勝進出を逃し、試合後に選手たちはロッカールームで涙した。「成長の証しを目に見える結果で示したい」と奥埜。悔しさを力に変える決意をにじませていた(佐藤夏樹)