J1仙台が課題の攻撃の修正に着手している。リーグ戦の前半は前線の人数が足りず、リーグ11位タイの17得点と伸び悩んだ。後半戦に向け、DFも攻めに加わる厚みのある戦術を試行。9日のYBCルヴァン・カップ(ルヴァン杯)プレーオフ第2戦のホーム湘南戦で一定の成果が出た。
 湘南には2日の第1戦と合計の得失点差で下回って敗退したが、攻め続けて3-1で圧倒した。存在感を発揮したのが3バック右の平岡。果敢なオーバーラップで右サイドをウイングバック(WB)の蜂須賀と連係して崩し、敵陣深くまで進入。蜂須賀も平岡をおとりに中へ切り込み、クロスを狙った。
 「相手が一瞬(平岡に)つられる余裕が助かる」と蜂須賀。逆サイドのDF金正也も含め、3バックの左右一方の選手が攻め上がる厚みのあるサイド攻撃に一定の手応えを得た。
 新戦術は、5月20日のアウェー鹿島戦から約2カ月間のリーグ戦中断を機に取り組み始めた。「オーソドックスなのはDFがWBの外側を回るプレー」と渡辺監督。サイドの奥でボールを受けられれば、クロスでもドリブルでも好機につながりやすい。
 もう一つの狙いは、WBの内側でパスを受けるプレー。湘南との第1戦では平岡が蜂須賀の内側でボールを持ち、ゴール前へスルーパスを狙う場面があった。外を回るより難度が高い。
 難点は、攻め慣れていない守備選手の攻撃スキルは必ずしも高くないこと。相手に見切られると、おとりとしての機能も半減する。
 解決策の一つが攻撃的なWBの3バックへのコンバート。渡辺監督が「クロスが得意で、中に切り込んでのシュートもある」と期待するのは左WBが主戦場の永戸。湘南との第2戦で後半途中から3バック左に入り、ポスト直撃のシュートを放つなど持ち味を発揮した。「新しい気持ちで楽しい」と意気に感じている。
 リーグ戦再開となる7月18日のホーム横浜M戦まで、練度を高める時間は十分ある。渡辺監督は「もっと(プレーを)整理できれば、面白いものを見せられる」と自信を見せる。(佐藤夏樹)