「原点」のピッチで仙台が本来の姿を見失った。攻撃のミスがたたり、復興を遂げたJヴィレッジの再開初戦で悔しい敗戦。主将の安本は「公式戦ができたうれしさはあるが、勝ちたかった」と唇をかむ。

 ミスから決勝点を奪われた。後半24分、奈良の縦パスが千葉・鴨川にカットされ、そのままロングシュート。距離はあったが、放物線のように弧を描いたボールはGK池尻の頭上を越え、ゴールネットを揺らした。奈良は「不用意なパスだった。ボランチとの意思疎通でもずれがあった」と悔やむ。

 ずれは序盤からあった。ハイプレスをかいくぐって素早くパスを回して左サイドを何度も突破したが、クロスは精度を欠く。浜田も数少ない決定機で放ったシュートがゴールを捉え切れなかった。浜田は「決められなかったのは自分の責任」と肩を落とす。

 Jヴィレッジを拠点とした東京電力マリーゼが東日本大震災の影響で活動休止。チームを引き継ぐ形で仙台が誕生した。当時を知る選手は5人。先発した安本、小野、浜田に加え、斉藤はベンチから鼓舞した。登録外の田原はスタンドで戦況を見つめた。

 「いろいろこみ上げるものがあった」と浜田。安本も「私たちはサッカーで表現するしかない。これからも白熱した試合をしたい」と誓う。思い出の地で味わった悔しさを次につなげる。(山本武志)