井上が帰ってきた。左膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがで長期離脱し、2日のINAC神戸戦で約11カ月ぶりに公式戦に復帰。11分間の出場に「ピッチでプレーするのは楽しい」と完全復活へ向けた第一歩を踏んだ。
 6日の紅白戦。井上らしい姿を随所に見せた。守備ラインの裏に抜けようと何度も仕掛けて相手のゴールに迫る。切り返しなど、細かな動きに不安は残すが、自慢のスピードは「7、8割ぐらい」。速さが売りのストライカーは徐々に本来の力を取り戻している。
 昨年8月の練習試合で負傷。地道なリハビリを耐え抜いた。「長かったが、あっという間だったような気もする」。支えになったのが4度の靱帯断裂の経験がある田原の存在。アイシングの際の世話など親身になって励ましてくれた。「自分はまだ1回けがをしただけ」と奮い立った。
 開幕から得点力不足に悩むチームに貢献したい思いが募る。「運動量はまだ戻っていないが、使ってもらえたら点に絡むプレーをしたい。サポーターの期待にも応えたい」。試練を乗り越えた背番号「8」は一段とたくましくなってホームのピッチに立つ。(剣持雄治)