今年も1人の選手が杜の都から世界へ羽ばたきます。仙台は1日、日本代表のGKシュミット・ダニエル選手がベルギー1部シントトロイデンへ完全移籍することで基本合意したと発表しました。所属選手の欧州移籍は、昨季のFW西村拓真選手(CSKAモスクワ)、川崎から期限付き移籍していたDF板倉滉選手(フローニンゲン)に続き3人目です。
 13日のホーム鹿島戦を最後に渡欧し、メディカルチェックの上で契約を結ぶ見込み。以前から「いつかは海外でプレーしてみたい」という思いを抱いていたシュミット選手。満を持して海を渡ります。
 米国出身、仙台育ちの27歳。197センチの大型GKは昨年、目標としていた日本代表に選出され、注目を浴びるようになりました。次々と取材が舞い込む状況に「みんなミーハーなんだから」と苦笑いしながらも、表情には夢に一歩近づいた喜びにあふれていました。
 根底にあるのは、チームへの感謝。ベガルタで過ごした日々が世界に挑戦できるまでの成長につながり、決断を尊重して快く送り出してもらいました。
 GK仲間にも同じ気持ちを持っています。ピッチに立てるGKはただ1人。同じチームのGKは切磋琢磨(せっさたくま)し、ポジションを競い合うライバルでもあります。「誰が出ても、試合で結果を出す。競争はかなり厳しかったが、自分が試合に出た時にはサポートしてくれた。ミスで失点した時にはポジティブな声をかけてくれた」と振り返ります。
 移籍の記者会見で、強い絆を象徴する場面がありました。記者に交じり、同い年のGK川浪吾郎選手が出席。メディアの一人に扮(ふん)して質問し、場を盛り上げました。シュミット選手も「仲間には本当に恵まれた」とうれしそうでした。
 失点の責任が重くのしかかることもあるGK。渡辺晋監督は「勝ち点3を持っている」と彼らが担う重責を表現します。支え合ってきた仲間から送り出され、新たなステージに進むのです。そんなシュミット選手の姿をユアスタ仙台で見られるのもあと1試合。「杜の都から世界中を照らせよ」との応援歌の通り、広い世界に羽ばたいてほしいです。
(フリーアナウンサー)