練習すればするほど上達する。今はそんな時代ではないらしい。仙台のU-15(15歳以下)チームは今季から公式戦の前日を休養に充てている。アカデミーダイレクターの河野篤さん(44)は「選手が100パーセントの状態で試合に臨むため」と意図を語る。

 U-15の練習開始は主に午後6時。公式戦は午前中に行われ、前日に練習すると疲労回復の時間が取れないという問題があった。「日本人の感覚では前日に体を動かさないと不安に感じる指導者も多いと思う」と河野さん。それでも、ベルギーのチームの事例を参考に試行したところ、選手のコンディション向上に効果が出たという。

 「成長期に大きな体をつくるには、食事とともに休息の取り方も大事。練習量を減らしつつ、質を保つ必要がある」と強調する。指導者が翌日の試合のことを考える時間ができる利点もあった。

 河野さんは、8月26日に仙台が主催した中学校の指導者を対象にした講習会で取り組みを紹介した。「指導者は、効果が上がるように練習計画を工夫することが求められている」。社会人の働き方のように、子どもたちの「鍛え方」も改革の時を迎えている。
(原口靖志)