山形県寒河江市のNPO法人「やまがた絆の架け橋ネットワーク」などが、大災害時の避難所運営を疑似体験するカードゲーム「HUG(はぐ)」の山形県版(愛称・やまはぐ。)を制作した。雪国の厳冬期に起きた災害を前提に構成。避難者に見立てたカードに山形ゆかりの名前を付けるなど、親しみやすいように工夫した。災害への対応力を高めてもらうため、広く活用を呼び掛けている。
 HUG山形県版は、地震災害を前提にした「内陸版」と、津波被害も想定した「庄内版」の2パターン。
 同法人と東北公益文科大(酒田市)の武田真理子教授(社会政策)のゼミが合同で制作した。静岡県のオリジナル版などをベースに、宮城県南三陸町の住民から聞き取った東日本大震災発生時の避難所の状況も内容に反映させた。
 ゲームは6~8人が1組となり、1枚ずつ読み上げられる「避難者カード」を個々の事情に応じて、避難所の平面図にいかに適切に配置するかを考えたり、「支援物資が届いたが、人数分はない」「テレビ局から取材依頼がきた」といったさまざまな出来事への対応を話し合ったりする。
 避難者カードには「ゆきわかまる」や「ざおう」など山形県ゆかりの名称を付け、顔のイラストも添えた。避難所の配置図も分かりやすく修正を加えている。
 NPO法人の早坂信一代表は「ゲームを通じて、避難所運営に必要なさまざまな要素に気付くことができる。災害に強い地域づくりに向け、住民同士や住民と行政の話し合いのきっかけにしてほしい」と語る。
 19日には鶴岡市内で山形版の完成披露会があり、住民や民生児童委員、公益大生ら30人余りが4組に分かれてゲームを体験した。
 地区コミュニティ振興会の佐藤智志会長(70)は「より実践的なシミュレーションができ、学ぶことが多かった。防災訓練の参考にしたい」と話した。
 連絡先はやまがた絆の架け橋ネットワーク0237(85)1070。

[HUG(はぐ)]名称は「避難所・運営・ゲーム」のローマ字読みの頭文字。東海地震に備え、静岡県が2007年にオリジナル版を開発した。避難者の年齢や性別、健康状態などが記された「避難者カード」と、「仮設トイレの場所を決める」「支援物資の置き場が足りない」といった「イベントカード」、時間経過や気象状況の変化を伝える「情報提供カード」で構成する。寒冷地の要素を加えた「北海道版」もある。