米軍三沢基地(三沢市)所属のF16戦闘機が、燃料タンク2個を小川原湖(青森県東北町)に投棄してから27日で1週間が経過した。湖内では部品の回収作業が進む一方、シジミをはじめとする漁の再開のめどは立っていない。「いつまで続くのか」。大打撃を受けた地元の水産関係者から不安の声が漏れる。
 海上自衛隊大湊地方総監部(むつ市)による27日の部品の回収作業は、午後3時ごろに終了した。これまで延べ201人の海自隊員が参加し、大小74個の破片を集めた。県などによると、回収量は燃料タンクの80%以上に相当するという。
 国は流出した油の水質への影響を調べているが、結果は出ていない。小川原湖漁協が「部品を全て回収し、水産物の安全性が確認されるまで」と決めた禁漁期間の解除の見通しも立たない。シジミ漁歴23年の男性漁師(69)は「いつまで続くのだろう」と気をもむ。
 漁協によると、事故前の1日当たりの漁獲量はシラウオ約400キロ、シジミ2~3トン、ワカサギ200~300キロ。浜田正隆組合長は「全国のスーパーなどの棚から小川原湖産が消えている。目の前に資源があるのに漁獲できないのは残念だ」とうなだれる。
 漁協からシジミなどを仕入れている東北町の加工・流通業者の損失は1日で最大約200万円に上る。全国の中央市場に出荷することができず、在庫のある加工品で食いつなぐ苦しい状況に直面。50代の男性従業員は「(小川原湖産の代わりに)他産地が出回れば、市場復帰も難しくなる」と表情を曇らせた。
 町と漁協は今後、国などと補償内容を検討するが、町総務課の担当者は「補償を受けられる対象や見積もった被害額が、どこまで認められるのか分からない」と協議の行く末を案じる。