青森県東北町上北中1年の男子生徒=当時(12)=が2016年8月、いじめを訴えるメモを残して自殺した問題で、町再調査委員会は9日、同級生からのいじめが自殺につながったとする報告書を町に提出した。学校の不適切な対応も大きく影響したと批判した。
 再調査委は男子生徒が同級生から椅子を蹴られた行為をいじめと認定。男子生徒が「椅子を蹴られて嫌だ」と母親に何度も訴えていたことから心身に大きな苦痛を与えたと判断し、自殺との因果関係を認めた。
 再調査委は、同級生に男子生徒の支援を依頼した学校側の指示が、椅子を蹴る行為に発展したと指摘。同級生は男子生徒が授業に集中していない時などに注意を促す目的で、椅子を蹴るようになった。支援を頼んでいたことは男子生徒や遺族、同級生の保護者に伝えられていなかった。
 学校は16年6月、椅子蹴り行為をいじめと認めたが、町基本方針で定めた町教委への報告を怠った。自殺の約3カ月前に実施した全校生徒対象の「いじめアンケート」の用紙を保存していないことも判明した。
 久保富男委員長は「いじめが自殺の大きな原因だとしたが、それ以上に適切な対応をしなかった学校の体制が自殺に追い込んだ」と話した。中村広美校長は「男子生徒に尋ねたが事実を確認できず、いじめと捉えられなかった」と述べた。
 男子生徒は16年8月19日朝、自宅敷地の小屋で首をつっているのが見つかった。町いじめ防止対策審議会は16年12月、いじめのほか本人の特性や思春期の心性など複数の要因が絡んだと判断。学校の対応には言及しなかった。遺族は17年1月、町に再調査を求めた。