東京電力福島第1原発事故による全町避難が続く福島県双葉町の沿岸北部で11日、郷土芸能「じゃんがら念仏踊り」が披露された。古里を思って太鼓やかねを打ち鳴らして踊り、東日本大震災の犠牲者を悼んだ。
 同町山田地区の住民でつくる「山田芸能保存会」の5人が、放射線量が比較的低い避難指示解除準備区域に集まり、昨年に続いて踊りをささげた。
 海岸は防潮堤工事で立ち入りが難しくなり、踊る場所は昨年よりやや内陸に移した。帰還困難区域に接し、除染土を入れた袋の山と、除染土を保管する中間貯蔵施設の受け入れ施設が近くに見えた。
 震災前は新盆に各家庭を回っていた。保存会会長の菊地安さん(66)は「亡くなった人もいる。避難先もばらばらで、各家庭を回れない。双葉郡全体の人たちの供養のために踊った」と語った。
 山田地区のじゃんがらは江戸時代末期に始まったとされる。保存会のメンバー約20人の半分は県外に避難して練習もままならず、伝承が課題になっている。