東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県の復旧復興を陰で支えたのは、隣の山形県だった。大規模災害発生時の後方支援の在り方や仙山交流との関わりなどについて、岩手大地域防災研究センターの福留邦洋教授(都市科学)、フィデア総合研究所の熊本均上席理事に聞いた。(聞き手は山形総局・須藤宣毅)

◎再生への仙山連携 専門家2氏に聞く

 -復旧復興で被災県の隣県が重要な役割を果たした。
 「大規模災害では、支援物資を集積するなどの機能を被災県外に置かざるを得ない。以前から、南海トラフ巨大地震を想定し、県境を越えた支援の必要性は指摘されていた。東日本大震災はそれが具体的に求められた初のケースだった」
 「被災地に目が向くあまり、隣接地域の支援の動きはほとんど知られていない。山形県の場合、物資の提供や人の派遣、患者の受け入れ、廃棄物処理など直接的支援から、復旧関係者の前線基地、交通の代替機能など間接的支援まで多岐にわたった。今後の後方支援を考える手掛かりになる」

 -山形県内は被害が少なかった。
 「山形が被災地支援に集中できた大きな要因だ。自然災害が多い日本において、全ての地域は被災地の隣接地域になる可能性がある。どこであっても防災対策が大事。被害を免れて初めて隣県を助けられるし、蓄えた物資も回せる」

 -震災から7年。支援活動の記憶の風化が進む。
 「被災地に比べ、支援側は語り継ぐ意義を感じにくいかもしれない。災害発生後、被災地は各地から集まる人や物資を救助や復旧に生かす『受援力』が試される。支援と受援は表裏一体。支援のノウハウは受援計画作りにも生かせる。官民問わず担当者が変わっても支援の経験を共有できる仕組みを整えるべきだ」

 -仙山圏は普段から人の行き来が多い。
 「仙台、山形両市を結ぶ高速バスに乗ると、いつも混んでいる。そこで気になるのが被災時の帰宅困難者対策。首都圏の問題と捉えがちだが、仙山圏の通勤、通学の広域化を背景に、行政による受け入れ場所の確保や事前の周知はもちろん、企業、学校の対策もますます重要になるだろう」