山形県金山町は、全国で初めて試験導入した「がん探知犬」による検診結果の住民向け説明会を町内で開いた。人の尿のにおいでがんの有無を高確率でかぎ分ける探知犬が18人を陽性と判断し、うち1人に精密検査でがんが見つかった。
 説明会は町農村環境改善センターで2日にあり、がんの早期発見の研究で町と連携する日本医科大千葉北総病院(千葉県印西市)の宮下正夫教授が講演。2017年度、探知犬検診に同意した922人の結果を説明した。
 探知犬が陽性と判断したのは男性4人、女性14人の計18人で41~81歳。精密検査の結果、1人が早期の子宮頸(けい)がんと診断され、17人は経過観察となった。
 課題もあった。探知犬が陰性とした6人に通常の検査でがんが見つかった。探知犬は事前テストで必ずがんの検体がある中から選んでいるのに対し、本番は有無が分からない状態でかぎ分けるため負担が大きかったとみられる。
 犬の個体差や尿を入れる容器の大きさも関係しているという。宮下氏は「一定の成果はあった。ただ正確性を期すため、検体数を絞るなど検診方法を一部見直したい」と述べた。
 金山町を含む最上地域は胃がん死亡率が高く、町が早期発見につながる仕組み作りのため宮下氏に協力を依頼。17年度から3年計画で探知犬検診に同意した町民に実施する。受診の自己負担はない。