◎岩手・山田へ焼き芋届けて600キロ

 埼玉県熊谷市から岩手県山田町まで、道のりは600キロ超。東日本大震災の被災者にほかほかの焼き芋を届けようと、今年も藤巻伸介さん(51)の軽トラックがやって来た。
 2014年から毎年、大型連休に仮設住宅を訪ねては、石焼き芋を振る舞うようになった。石焼き窯を載せた軽トラックは東北自動車道をひた走り、現地で焼きたてを配り歩く。
 以前勤めていた会社の同僚が山田町出身だった。町の惨状を見聞きし「自分にも何かできることがあるはずだ」と思い立った支援がこれだった。
 「本当に遠くからありがとう」「甘くておいしいよ」。そう言って焼き芋を頬張ってくれる人々のこぼれるような笑顔が、藤巻さんの原動力だ。
 今年から陸前高田市の仮設住宅も経由するようになった。「へそくりをためて通う毎年一番のイベント。『もう来なくていいよ』と言われないようファンを増やしたい」。そう語る藤巻さんもまた笑顔だった。
(盛岡総局・北村早智里)