東日本大震災で被災した岩手県大槌町の旧役場庁舎の解体を目前に、住民団体「おおづちの未来と命を考える会」は11日、解体の差し止めを求める仮処分を盛岡地裁に申し立てた。記者会見した高橋英悟代表との主なやりとりは次の通り。

 -仮処分の申請に踏み切った理由は。
 「町内では旧庁舎解体についての議論がタブー視されている。震災時に町は避難勧告や避難指示を出さず、1286人の犠牲者が出た。どうしてこのような事態に陥ったのかを見詰めなくてはならない」
 「なぜあの時、あの場で亡くならなければならなかったのか、全く分からないまま過ごしている町職員の遺族がいる。解体前にやらなければならないことがたくさんある」

 -平野公三町長に伝えたいことは。
 「2月の町民説明会でも、3月定例町議会でも質問に全く答えていない。旧庁舎跡地を防災用空き地とする方針も含めて本当にそれでいいのか、意見を聞く時間を持ってほしい」

 -町は18日にも解体に着手する。
 「震災発生から7年3カ月がたっても、つらい思いを抱えた方が大勢いる。考えることをやめてしまった町民とも連携し、声に出せない声を行政に届けたい」

 -町民に訴えたいことは。
 「先祖は何度も津波を乗り越えてきた。私たちも震災を後世にどう伝えるべきか考える時期に来ている。何ができるのか、立ち止まって一緒に考えたい」