東日本大震災をきっかけにできた大船渡市末崎町の「居場所ハウス」が、13日で開所から5年を迎えた。地元の高齢者らが運営を担い、震災で過疎化と高齢化が加速する地域の課題と向き合う拠点施設へと成長した。
 築60年の古民家を移築改装したハウスは2013年、米国の復興支援で開館。地元の高齢者らでつくるNPO法人「居場所創造プロジェクト」が運営する。
 日中はお年寄りが世間話に興じ、夜間は小中学生が勉強する地域住民のサロンだ。ほぼ毎日訪れるという大和田マツエさん(87)は「ここに来れば誰かがいるので楽しい」と語る。
 コーヒーやお茶の提供にとどまらず食堂や朝市を企画するなど意欲的な運営で、開館以来の利用者は延べ約3万4000人に達した。
 末崎町の人口は現在4133人。震災後に16.5%減少し、高齢化率は39.5%となった。地域の衰退が懸念される事態だが、ハウスは子ども預かりサービスを始めるなど、地域社会で重要な役割を担っている。
 運営費は民間補助金に依存しているため、今後の資金確保に不安はある。
 それでもハウス館長の鈴木軍平さん(73)は「災害公営住宅の入居者や独居世帯への配食や見守り、ハウスへの無料送迎バスの運行など地域課題を踏まえ、新たな活動を展開したい」と積極的だ。