仙台市泉区の仙台ロイヤルパークホテルがシティーホテルからリゾートホテルへの転換を推し進め、成果を挙げつつある。洋風庭園や周辺の自然を生かしたアクティビティ(活動)を提供し、滞在して楽しめるホテルに変化。2017年の年間宿泊者数は15年ぶりに過去最高を更新した。

 提供中のアクティビティは芝生の上でのヨガや星空観察会、テントで食事を楽しむ「グランピング」、朝食をバスケットに詰めるガーデンピクニックなど。6月には、庭園で星空を眺めながら楽しむビアガーデンも始めた。
 アクティビティ導入により、顧客がファミリーやカップルに広がった。17年の宿泊者数は約5万1000人となり、前年より2割も増えた。1室当たりの平均宿泊人数は従来の1.4人から1.7人に。庭園に面した部屋から順に予約が入るようになり、客単価も上昇した。
 ロイヤルパークホテルは1995年に開業し、ヨーロッパ風のシティーホテルとして人気を集めた。02年にはサッカー・ワールドカップ日韓大会のイタリア代表が宿舎としたことでも知られた。一方で競合ホテルの増加が徐々に影響し、宿泊者数は02年の4万7000人がピークだった。
 さらなる競合の激化が見込まれたため、15年に戦略の転換を決断。広本浩二総支配人は「市中心部から車で30分の距離はビジネスでは遠いが、リゾートとしては近い。ビジネス需要は捨てるぐらいの覚悟で差別化を狙った」と説明する。
 ホテル外でも泉かむりの里観光協会と連携し、農作業体験やサイクリングなどを提供。隣接する商業施設の泉パークタウンタピオと仙台泉プレミアムアウトレットとも協力し、相乗効果を発揮する。
 今後は宴会部門でも庭園を会場にしてアトラクションを取り入れるなど、さらにリゾート色を強める。観光需要が減る平日の稼働率を上げるため、宮城県内へのPRも強化する。
 広本総支配人は「地元の人が癒やしを求めて訪れるホテルを目指し、県内客の利用を倍増させたい」と話した。