東北楽天のハーマン投手が新守護神として抜群の安定感を見せている。昨季から主に八回の救援を任されてきた。だが、今季は本来の守護神松井が不調で、5月11日に配置転換に。暫定の抑え役と目される中、それ以降は20試合で1勝10セーブ、1失点のみの防御率0.45という驚異的な数字を残してきた。

 「みんなと握手して試合を終われるのが違うね。クローザーの仕事をエンジョイできているよ」とハーマンは言う。しかも現在、15試合連続無失点。森山投手コーチは「松井が万全でも守護神の座を争っていた。ハーマンの九回は安心だ」と絶大な信頼を寄せる。
 速球の切れの良さを示すボール回転数は則本と同程度。そこに独特の曲がり方をするカーブを織り交ぜる緩急が生命線だ。今季はスライダーも多投し、9回当たりの奪三振割合を示す奪三振率も10.16と高い。
 昨季は投球時に制止動作不十分でボークとみなされることがあったが、今季は判定基準が緩和され不安材料が消えた。「周りが言うほど意識していなかったよ」と笑うが、追い風になったのは間違いなさそうだ。
 1年目の昨季を3勝1敗33ホールドで終え、米国に帰った際、より成功するための鍵は何かと自問した。ハーバード大出身の頭脳が導き出した答えは明快。「バントやエンドランなど攻撃の作戦を封じるには先頭打者を出さないことだ」。この意識を徹底し、無失点中の15試合で先頭打者出塁は2度しか許していない。
 来日した外国人救援投手の頂点は、昨季外国人投手として初の通算200セーブを達成し、昨季1シーズン最多新記録の54セーブを挙げたサファテ(ソフトバンク)だ。「同じような圧倒的な存在が目標か」との問いに、ハーマンは「どうだろうね」とにやり。「でもあと3、4年、日本で頑張りたい」と意欲を示す。
 チームは後半戦3連勝で夏の反撃体勢に入った。平石監督代行は「リードした九回が基本線」と引き続きハーマンに抑え役を託す。新守護神の登板機会が増えれば、浮上の勢いも増してくる。(金野正之)