東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた仙台市若林区荒浜の貞山堀で18日、震災後初となる夜の灯籠流しがあった。祖先や津波犠牲者を供養する灯籠約200個が川面に浮かべられ、参加者がそれぞれの思いを抱えながら見詰めた。
 元住民や支援者でつくる実行委員会の主催。津波で地区の街路灯といった明かりが失われたため、昨年までは安全性を考慮して昼や夕方などの明るい時間に実施していた。
 周辺で震災遺構など拠点施設の整備が進み、防犯面の不安も改善されつつあることから、実行委が照明を用意し、8年ぶりに夜間の灯籠流しを復活させた。
 震災当時近所に住み、津波で友人夫婦を失った若林区の佐藤慶子さん(74)は「灯籠が流れる景色を見ると、亡き友人との楽しい思い出がよみがえってくる」と涙を浮かべた。
 実行委によると、震災前、荒浜地区には約800世帯2200人が生活しており、津波で約190人が犠牲になったという。