東北の水産関係者が、シーズン本番を迎えたサンマ漁の行方に気をもんでいる。出だしこそ好調だった漁は9月に入ると一転、水揚げが途絶えてしまった。記録的不漁に泣いた昨年の反動もあり、漁期の入り口で「豊漁」のイメージが先行したサンマ漁。浜は対応に苦慮している。
 サンマの水揚げ本州一の大船渡市魚市場は2日から連続12日、サンマ船の入港がなくなった。
 1日までの水揚げは562トンで昨年同期の約1.3倍。「今年こそ豊漁で価格も安くなる」と期待が膨らんだ直後だけに、サンマ宅配便を扱う市内の小売店には「いつになったら届くのか」といった声が多く寄せられているという。
 水産物販売「大船渡おさかなセンター」は解凍サンマを店頭に出してしのいできたが在庫がなくなり、13日は「通常、地元産が出回る9月には扱わない」と言う北海道で水揚げされた小型サンマを販売した。
 1匹300円という高値に、手を出す買い物客はほとんどいなかった。
 東北各地の2日以降の水揚げは宮古で7、8日に計40トン、気仙沼で8日に34トンと、やはり低調に推移している。
 宮古市の「宮古さんまふるさと便」は昨年、不漁で出荷断念に追い込まれた。その影響が残る今年は、受注件数が2割近く減少。巻き返しを期そうにも水揚げの見通しが立たず、7日、13日と2回続けて予定していた出発式の日取りを見送った。
 昨年「海の市サンマまつり」を中止した気仙沼市。主催団体は今年の祭り日程を2日間としたが、肝心の開催日を決めあぐねている。
 水産庁は、9月中旬までの漁獲は低調に推移するが、その後は増加し、漁期全体では昨年を上回ると予報。8月下旬の豊漁を東北区水産研究所資源管理部(八戸市)は「少ない魚がたまたま固まっている良い漁場に行き当たったため」と分析する。
 東北には14日以降、久しぶりにサンマ船の入港が見込まれている。大船渡市のサンマ加工「及川冷蔵」の及川広章社長は「在庫が9月分までしかなく、そろそろ購入したい。ただ値段がどうなるか気掛かりだ」と話す。