肉用羊の飼育頭数で国内4位の岩手県が、羊毛を使ったブランド品の開発に乗り出した。県内に根付く英国発祥の毛織物「ホームスパン」の作家たちとタッグを組み、28~30日に滝沢市の「茶房結の蔵」で試作品を展示販売する「イワテひつじ展」を開く。

 県によると、2016年は一関、奥州の両市を中心に農家48戸が肉用羊621頭を飼育している。東北トップの飼育頭数ながら、羊毛は活用方法が見当たらずに廃棄されることが多かった。

 そこで県は、県内の作家でつくる「ホームスパンミーティング実行委員会」にブランド品開発を委託。19年2月の完成品披露を目指して試作品などが作られている。

 ホームスパンの素材はニュージーランド産の羊毛が主流で、県産を使った作品の展示販売は初の試みという。会場では、作家10組がサフォーク種やコリデール種の羊毛を紡いで加工したマフラー、ブランケットを出品する予定だ。

 実行委代表の中村和正さん(34)は県産羊毛を「海外産といい意味で違いがなく使いやすい」と評価。「毛の手入れや刈り方について生産農家と意思疎通できることも作家にとってありがたい」と話す。

 展示販売会は3日間とも午前10時~午後5時。

[ホームスパン]染色から紡ぎ、織りまでを全て手作業で行う伝統毛織物。明治時代には農閑期の女性の副業として日本各地に拡大したが、現在も産業として残っているのは岩手県だけとされる。十数軒の工房が創作を続けている。