宮城県気仙沼市の水産・観光業「阿部長商店」が、アルコールや豚肉の飲食が禁じられているイスラム教徒の戒律に対応した魚肉ソーセージを製造し、イスラム圏で販売を始める。原料を厳選し、市内に専用の工場も建設。マレーシア政府の認証機関「JAKIM」からイスラム教の基準に沿った商品であることを示す「ハラル」の認証を受けた。年内にも輸出を開始する。
 同社によると、国内の水産加工会社でJAKIMからハラル認証を受けたのは初めて。商品は「SANRIKU FISH SAUSAGE」。1本70グラム(約15センチ)で「ブラックペッパー」「あみえび」など4種類の味を用意した。3本入りパックで売り出す計画だ。
 同社の関連企業で水産加工の「泰興商事」(大船渡市)が製造を手掛けた。今年2月に気仙沼市赤岩港に建てた専用工場では、消毒用アルコールの代わりに電解水を使用。ハラル認証を受けた香辛料などを取り寄せ、スケトウダラやヨシキリザメの肉を使った。
 商品開発は2016年春に始めた。30年には人口が22億人に達すると予測されるイスラム圏の巨大市場で、販路拡大を狙う。
 各国にある認証機関の中でも信頼が厚いJAKIMの認証を受けるため、専門家らの意見を聞きながら工場を建設した。使える素材を厳選し、今年2月にはサウジアラビアであった食品展示会に出品、高い評価を受けた。
 1日8万本製造し、1パック約3ドルで販売する方針。年間数億円の売り上げを見込む。年内にはサウジアラビアに輸出し、年明けからマレーシアなどイスラム諸国に販売を広げる予定。
 同社経営企画室の担当者は「三陸ブランドを世界の市場で認知してもらうと同時に、国内に住むイスラム教徒へも商品をアピールしたい」と話している。