東京都八王子市の精神科病院「平川病院」の造形教室で活動する江中裕子さん、長谷川亮介さんの美術作品を集めた企画展「<契る>×<弾(はじ)く>=ここから生(うま)れ出る色と形」が、宮城県大和町吉岡の「にしぴりかの美術館」で開かれている。12月19日まで。
 何度も手洗いを繰り返してしまう強迫性障害やそううつなどに苦しみ、生きづらさを抱える2人が、湧き出る表現欲求から「描きたい」「描かずにはいられない」と制作した作品計約100点を展示している。
 江中さんの作品は、写真や絵をちぎって貼り合わせたコラージュ。一見無関係な素材を集めつつも、見る人の内面に訴え掛ける「拘束」や、戦場や墓標をモチーフにした「幼き人類」などが並ぶ。
 長谷川さんは、演奏家や動物を豊かな色彩と大胆な構成で描いた大型絵画や自画像などを出品した。2人は首都圏在住。ともに美術を学んだ経験はないというが、訴える力に満ちた作品がそろった。
 美術館を運営するNPO法人黒川こころの応援団の小野田豊代表は「生きる証しとして描かれたことが伝わる。病を抱えた人は決して脱落者ではなく、別の世界の価値や魅力を教えてくれる存在であることを知ってほしい」と語る。
 午前11時~午後5時半。入場無料。木曜休館。連絡先は小野田代表070(5011)0028。