大規模災害で生じる廃棄物の処理方針を定めた「災害廃棄物処理計画」を策定しているのは、東北の全227市町村のうち18自治体(7.9%)にとどまることが4日、東北管区行政評価局の調査で明らかになった。全国の策定率24%(2017年度、環境省調べ)を下回り、東日本大震災を経験した東北の対策が遅れている実情が浮かんだ。
 各市町村の策定状況は表の通り。18年度内に策定予定は25自治体で、過半数の116自治体が21年度以降にずれ込む。処理計画は県も策定するが、東京電力福島第1原発事故からの復興対応を理由に6県のうち福島が策定していない。
 未策定の理由は「職員と時間が確保できない」「専門的知見が不足」が上位を占めた。廃棄物の発生量や処理可能量の推計、仮置き場の候補地選定の難しさを指摘する声が多かった。
 早期処理の鍵を握る仮置き場候補地を選定したのは原発事故で全域避難が続く福島県双葉、大熊両町を除く225市町村の20.9%に当たる47自治体にとどまった。選定が21年度以降と答えたのは105自治体に上った。
 未選定の理由には、適地かどうかの判断や必要面積の算定など専門的知見の不足、周辺住民との調整の難しさが挙がった。
 評価局は「いざというときに対応できる数字ではない。震災を経た東北が先陣を切って対応を進めてほしい」と指摘。4日、環境省東北地方環境事務所に対し市町村への計画策定マニュアル提供、仮置き場の選定方法の助言などを行うよう改善を求めた。調査は5~12月に実施し、全市町村から回答を得た。
 国は15年に災害対策基本法と廃棄物処理法を改正し、都道府県や市町村に計画策定などを求めた。18年度までに計画策定率60%、仮置き場候補地の整備率70%を目標に掲げている。