宮城県東松島市宮戸の旧鮫ケ浦漁港に送られた手紙を別の送り主に転送する架空の郵便局「鮫ケ浦水曜日郵便局」が5日、閉局した。昨年12月から計5349通の手紙が届けられ、見知らぬ人との不思議な手紙の交流を演出してプロジェクトが終了した。

 現地であった閉局記念イベントには地元住民や市職員ら約50人が出席。企画した映画監督遠山昇司さん(34)が「皆さんのおかげで1年続けられた。虹のようにまたどこかで始まるのを楽しみにしてほしい」とあいさつした。
 東松島市の渥美巌市長は「素晴らしい場所を再発見させてくれた。新たな観光や交流の場としてよみがえることを願っている」と感謝の言葉を述べた。
 出席者は持参した最後の手紙を「灯台ポスト」に投函(とうかん)。2013~16年に熊本県で開局した「赤崎水曜日郵便局」に携わった歌手で女優の玉井夕海さん(41)がオリジナル曲「灯台ポスト」を歌った。
 手紙を集めた配達員の高田彩さん(38)=塩釜市=は「毎回100通以上の手紙があり、皆さんの思いを肌で感じた。閉局しても記憶は残っていくと思う」と振り返った。もう一人の配達員桃生和成さん(36)=仙台市青葉区=は「寂しいが何事にも終わりがある。次にどんなプロジェクトが生まれるのか楽しみ」と期待した。
 プロジェクトは遠山さんらでつくる「水曜日観測所」が主催した。赤崎水曜日郵便局に続き2カ所目。今後も開局する構想はあるが、時期や場所は未定という。