山形県が支出した東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の避難者向け借り上げ住宅の事務委託料約2400万円が全日本不動産協会山形県本部(山形市)の内部で行方不明になっている問題で、幹部らによる複数の疑惑を調査するため同本部が昨年5月に設置した「第三者委員会」が、十分な調査を行えないまま今年5月に解散させられていたことが5日、関係者への取材で分かった。
 関係者によると、「第三者委」の委員は本部長が会員から選任し外部有識者は含まれていなかった。昨年9月に関係者への聞き取りを開始したが明確な回答は得られず、理事会の議事録も一部紛失していたため調査は難航した。
 「第三者委」の発足は、2015年度までの約9年間本部長を務めた男性を含む当時の理事らに、協会看板の撤去・移設補償費の私物化疑惑などが浮上したのがきっかけ。避難者向け借り上げ住宅の事務委託料問題は調査対象にすべきでないと憤慨し、詳細な説明を拒んだ幹部もいた。
 「第三者委」は本部長の要求を受け、調査途中だったにもかかわらず、今年1月に結果をまとめて本部に提出。5月の定時総会で内容が報告された直後、理事会で解散が決定したという。
 理事の一人は「(調査結果の)報告を終えたから解散した」と話している。
 看板の撤去・移設補償費を巡る疑惑は14~15年、国道拡幅に伴い看板を移設した際、国から協会に支払われた補償費約80万円が当時の本部長の会社に送金されていた問題。当時の本部長はその後、全額を返金している。