山形は尻上がりにプレーの質が良くなったが、J1勢を次々と撃破した下克上の夢は準決勝でついえた。
 序盤は劣勢に立たされた。仙台のスピードのある縦の突破への対応が後手に回り、自陣深くまで押し込まれた。ボールを奪っても、相手の素早い寄せで囲まれ、パスコースも封じられた。ボールを奪い返され、何度もカウンター攻撃を食らった。
 自陣でのプレーが続いていた前半14分、左クロスをボレーで合わせられると、18分にも失点した。熊本は「前の5人で攻め上がる相手の攻撃に対し、守備の対応が難しく、ボールへの詰めが甘くなった」と振り返る。
 攻撃で気を吐いたのは阪野だ。0-2の前半32分に熊本の右クロスを頭で合わせ1点を返すと、1-3の44分にも、相手DFラインの裏に抜け出し、ループシュートを決め、チームを鼓舞した。阪野は「チャンスは多くないと思っていた。落ち着いて決められた」と話す。
 後半は三鬼のクロスや汰木が長いドリブルで見せ場をつくるなど、何度も仙台のゴールに迫ったが、最後までゴールをこじ開けられなかった。
 阪野は「徐々にゲームのスピードにみんなが慣れた。前半から後半のような試合ができていれば…」と厳しい表情を見せながら、「きょうの試合はチームも個人的にも大きな経験値になるはず」と来季を見据えた。(吉川ルノ)

<後半に希望持てた/山形・木山隆之監督の話>
 前半を粘って2-3で終えたことで、後半に希望を持てた。相手のスピードに慣れ、後半の立ち上がりは非常に良かった。そこで追い付くと勢いが出るはずだが、得点できなかった。