金と青に染まったスタンドにベガルタの凱歌(がいか)がとどろいた。仙台市泉区のユアテックスタジアム仙台で5日にあったサッカーの天皇杯全日本選手権準決勝。J1仙台がJ2山形を3-2で破って初の決勝進出を決めた。仙台は3年ぶりの東北ダービーを制し、ライバルの思いも背負って9日の決勝に臨む。

 キックオフ前からサポーターは熱い。夜明けとともにスタジアムに並んだ泉区の介護士高橋義明さん(46)は「大舞台で仙台と山形の勝負を見るのが長年の夢だった」。栗原市の保育士伊藤かおるさん(32)は「選手に声が届く所で応援する」と力を込めた。
 試合が始まると「ベガルタ、仙台」「山形、ディオ」と応援はヒートアップ。真っ向からぶつかり合う両チームのプレーにスタンドが沸く。友達2人と来た宮城県大河原町の中学1年武者礼理(れいり)さん(13)は「山形からも大勢のサポーターが来るこのライバル関係に感動する」と目を輝かせた。
 前半は激しい点の取り合いとなり、仙台が1点のリードで折り返す。後半は息をのむようなつばぜり合いが続く。ロスタイムは5分。仙台が粘る山形を振り切って試合終了のホイッスルが鳴る。初の決勝進出にサポーターの喜びは最高潮に達した。
 太白区の佐々木由佳さん(43)は「ベガルタにいつも元気づけられている。決勝も勝って天皇杯を掲げてほしい」と声を弾ませ、泉区の会社員蟹沢麻美さん(27)は「東北魂を見せて優勝してほしい」と語った。
 4大会ぶりの決勝を逃した山形側のスタンドは静まり返った。応援団体「ウルトラスACMY」の藤倉晶代表(43)は「最後に立ちはだかったのはやはり仙台だった。この悔しさを次のダービーにぶつけたい」と振り返り、泉区に住む山形県河北町出身の大学2年石川菜奈子さん(19)は「仙台には山形の分も頑張って優勝してほしい」と思いを託した。
 平成最後のダービーは仙台の勝利で幕を閉じた。仙台サポーターのいわき市の会社員小口淳さん(49)は、両チームの「コラボ記念マフラー」を買った。「マフラーは山形がJ1に戻った時のリーグ戦まで大事に取っておく」と次回の対戦に思いを巡らせた。