東日本大震災で津波被害を受けた仙台市沿岸の町内会など25団体で構成し、地域全体の要望を行政につないだりイベントを展開するなどしてきた団体「せんだい東部復興市民会議」が解散した。復興が進み、各地区の課題を共有することが難しくなった。

 市民会議は2013年に宮城野区高砂地区、若林区六郷、七郷両地区の町内会や市民団体などが設立。県や市への要望活動を繰り返し実施し、このうち市の家屋修繕費補助制度などが実現に結び付いた。津波ハザードマップなど防災関連の勉強会も開いてきた。
 小規模農家の販路拡大を目的にした農産物市場「昼市」や農業体験会などを開催。地区内外から大勢の来場者を集め、郊外農村部の暮らしを発信してきた。
 復興の進展に伴い、交流人口拡大や新旧住民のコミュニケーション不足、農業従事者減少など地区の課題やニーズが多様化。市東部沿岸全体の復興を目的にした市民会議に、地区によって関与の度合いに差が生じてきた。
 市東部では16年に防災集団移転が完了し、一部を除き生活や産業の基盤が再建された。市民会議は25団体が歩調を合わせて活動を展開するのは困難と判断、9月中旬に解散した。一部構成団体は新たな連携の在り方を模索し、団体同士のつながりは維持したい考え。
 市民会議の元世話人代表で、三本塚町内会の小野吉信会長(69)は「『地域全体の復興』という当初の目的は一定程度果たせた。今後も一緒に、ハザードマップの勉強会や昼市の後継イベントを開きたい」と話す。