2016年に秋田市のアパートで小学4年の長女=当時(9)=が心中しようとした母親に殺害された事件で、母子を担当した秋田県中央児童相談所(秋田市)と女児が入所していた児童養護施設(同)の対応に落ち度があったとして、女児の父親(大仙市)が県に損害賠償を求める訴えを秋田地裁に起こすことが18日、分かった。

 原告側は、児相は母親に養育能力が欠けていたと認識しながら親権停止を検討せず、月1回の父子面会がなされていない状況を追認したと指摘。児童養護施設については、一時帰宅していた女児が約束の時間に戻らなかったにもかかわらず通報が翌日になるなど対応が遅れたと主張している。

 秋田地裁は14日、原告側の要請で児相と児童養護施設で関係資料を収集する証拠保全を実施した。原告側の代理人弁護士によると、児童福祉の行政機関への証拠保全は珍しく、全国で2例目。資料の精査や請求額をまとめ次第、提訴する方針。

 児相を所管する県地域・家庭福祉課は「まだ訴えが起こされていないので何も言えない」としている。

 確定判決によると、母親は父親に無実の罪を着せられるなどと妄想を抱き、娘との無理心中を図った。自宅アパートで16年6月19~20日ごろ、一時帰宅中だった娘の首を絞めて殺害。最高裁は18年2月に上告を棄却し、殺人罪で懲役4年が確定した。