岩手県大槌町の情景を詠んだとされる宮沢賢治の詩「旅程幻想」の石碑を建立しようと、町民らでつくる「大槌宮沢賢治研究会」が、インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。150万円を目標に31日まで寄付を呼び掛ける。
 詩碑は3月、東日本大震災で被災し再建される三陸鉄道大槌駅前に設置する予定だ。JR山田線の宮古-釜石間を移管してできる「リアス線」の営業開始に合わせ、町の玄関口で賢治ファンを出迎えたいとしている。
 賢治は1925年1月、岩手県沿岸の旅行で7編の詩を詠んだとされる。研究会は、このうち2編が大槌町にちなんでいると推定。今回の建立に先駆けて2016年9月には、町内に「暁穹(ぎょうきゅう)への嫉妬」の詩碑を建てた。
 沿岸には他にも賢治ゆかりの詩碑が複数あり、研究会は石碑をたどって賢治の旅を追体験する観光周遊ルートづくりを目指す。
 会長の佐々木格(いたる)さん(73)は「世界全体の幸福を願った賢治の姿勢は、誰一人取り残さないことを掲げた国連の『持続可能な開発目標』にも通じる」と強調。「改めて賢治の業績や思想に目を向けるため、詩碑を建立して発信したい」と意気込む。
 CFはウェブサイト「レディーフォー」で受け付けている。