矢板中央の堅守を、青森山田はロングスロー2本で崩した。ゴールを決めたのはDF二階堂。「ゴールはうれしいが、自分だけの得点ではない」。勝利を謙虚に喜んだ。
 絶妙な位置取りだった。沢田からのスローインを、ターゲットとなる192センチの三国から程よく離れた場所で待ち構えた。「いつか必ずボールが来るから小細工するな」。黒田監督は口酸っぱく指示してきた。二階堂は「周りが競った後を狙っていた」と冷静だった。
 仙台市燕沢小から青森山田中へ。同学年の三国や檀崎らと全国中学大会で2連覇に貢献した。高校進学後は170人を超える部員の中で、激しいレギュラー争いにもまれた。下級生の時から試合に出る2人の姿を見て「置いていかれている。もっと頑張らないと」。自らを奮い立たせ、3年になってトップチームの正位置をつかんだ。
 序盤に先制点を献上し、露骨にゴールを固められる。青森山田には最悪とも言える展開だった。個人技を封じられてもセットプレーで苦境を打開したのはさすがのしたたかさだ。2大会ぶりの頂点に向け、視界が開けてきた。(剣持雄治)