銀行口座に振り込まれた給与を宮城県地方税滞納整理機構に「預金」として差し押さえられ、精神的苦痛を受けたとして、大崎市のパート従業員の60代女性が8日、県と市に220万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。

 訴えによると、女性は2008年6月~17年2月分の国民健康保険料など約139万円を滞納し、市は17年5月、延滞税などを加算した約197万円の徴収を機構に委託。機構は同9月に銀行口座に振り込まれた8月分の給与約8万7000円を差し押さえ、女性は所持金を全て失った。

 女性の当時の収入は、毎月のパート給与8万~11万円と隔月の厚生年金約7000円。親族から借金して100万円を返し、機構に残額の分割払いを申し出たが、認められなかった。機構は現在、差し押さえできる資産が女性にないため、取り立てを停止している。

 国税徴収法は滞納者の月収が10万円以下の場合に給与の差し押さえを禁じているが、口座に振り込まれた給与が「預金」と見なされれば禁止規定がない。

 女性側は「脱法的な徴収で苦痛を受けた。徴収された給与は、同法が差し押さえを禁じる3カ月分の食料・燃料の相当額で違法だ」と主張している。

 機構は大崎市など県内22市町村と県が共同運営し、各自治体からの派遣職員らで構成。機構の担当者は「訴状が届いておらず、訴えの内容が確認できない」と話した。