秋田地方気象台の前台長で防災気象官の和田幸一郎さん(61)=秋田市=が、秋田県内を流れる雄物川の観測に約30年ぶりに取り組んでいる。気象と水温の関係を明らかにしようと、2週間に1回、秋田空港に近い秋田市雄和妙法の河川敷に行き、手作業で記録。休日を使い、1年以上は続けるつもりだという。

 昨年12月30日午前9時40分ごろ、年内最後の観測を行った。寒気の影響で平年より冷え込み、気温は氷点下2度。小雪が舞う中で川に入り、棒温度計を差し込む。「1度だ。前より2~3度低いね」
 和田さんは同気象台秋田空港出張所(現秋田航空気象観測所)に勤務していた1989~91年にも観測していた。
 航空機の遅れや欠航につながる霧を研究し、機器で観測する気温や湿度だけでは発生条件を説明しきれないことに着目。水温が気温より5度以上高く、風の少ない時に川霧が空港周辺にたまることを突き止めた。
 その後、東北各地の気象台、測候所で勤務し、昨年春に定年退職した。再任用職員として自治体との情報交換や市民向けの講演、後進の指導に当たる中で、気温の上昇や豪雨、豪雪といった異常気象と水温の関係にも関心を持ち、昨年8月に観測を再開した。
 現段階では30年前と大きな差は見られないというが、引き続き調査する。和田さんは「足を運ぶことで、数値だけでなく環境の変化にも気がつける。日々の気象観測データと合わせ、防災に役立てたい」と力を込める。