警察官による昇任試験問題集執筆問題で、京都府警の警視ら3人が偽名や団体名で請け負っていたことが西日本新聞の関係者への取材で分かった。執筆を依頼した「EDU-COM」(エデュコム、東京)の内部資料には「ペンネームで登録予定。氏名・所属が一切表に出ないように」との注意書きがある警察官もいた。公務員の副業は原則禁止されており、所属する警察に知られないよう、実名を伏せていた可能性がある。
 京都府警の警視は2012年7月~15年2月に「南謙三」という偽名を、15年3月~17年3月は「近畿法規研究会」名義を使用、毎月欠かさず計約795万円が支払われた記載があった。警視は「足りない原稿はないか」と尋ねるなど積極的に執筆し、数カ月おきに上京して飲食接待を受けていたという。
 この警視は複数の女性警察官にセクハラ行為をしたとして減給処分を受け、昨年12月に依願退職した。
 神奈川県警の元警視正は、現職だった12年11月~15年12月は「警察実務研究会」、退職後の16年以降は実名で、34回で計約947万円が支払われた記録があった。栃木県警の警部には「栃木昇試研究会」名で15年8月~16年11月に計約36万円が支払われていた。
 西日本新聞は昨年11月、京都府警の警視と神奈川県警の元警視正に文書で取材を申し込んだが、9日現在回答は届いていない。
 実名を伏せた理由について、同社関係者は「所属する警察に内緒で執筆していたからだろう。原稿のやりとりをする際は相当気を使った」と説明した。
 資料によると10年1月~17年3月、警察官467人に原稿執筆料として計1億円超が支払われていた。