仙台市が5月1日の改元に向けた準備作業を進めている。区役所の窓口業務や福祉、教育、議会など幅広い分野で元号を使っており、改修が必要なシステムも少なくない。新元号の公表が4月1日に決まり、担当者は「一定の時間が確保できた」と歓迎。「平成と書かれた文書でも効力に影響はない」と粛々と対応する方針だ。

 元号は市民がよく手にする住民票や印鑑証明、課税や納税の証明書、介護保険料の決定通知書、子ども医療費助成の受給者証などに記載。市議会に提出する議案や市条例の条文などでも使用している。
 郡和子市長は8日の定例記者会見で「役所は西暦ではなく元号で書類を作成している。元号が変わる日までに滞りなく準備できるよう努める」と強調。市民生活に影響が出ないよう万全を期す考えを示した。
 現時点で経費が不要な場合を含め少なくとも50以上のシステムで改修が必要とみられる。一部のシステムは既に改修を始め、4月以降に新元号を入力し、正しく出力されるかどうかを確認する。情報政策課の担当者は「1カ月あれば十分に対応できる」とみている。
 改元までに作成した文書に「平成31年6月」「平成32年」と記載されていても基本的に有効。文書法制課の担当者は「必要に応じて訂正印で修正するが、書き換えなくても法的な効力は変わらない」と説明する。
 昨年の市議会9月定例会で可決された市税条例の一部改正条例は「平成33年1月1日から施行」と定めるが、改めて条例を改正する予定はないという。
 昭和から平成への改元は、あまり対応の参考にはならなさそう。1989(昭和64)年1月7日午前6時33分、昭和天皇が崩御し、今上天皇が即位。政府は同日午後、新元号を発表し、1月8日に平成が始まった。
 郡市長は「昭和から平成に変わった時は時間が短く、相当な苦労があったと思う」と当時の慌ただしさを推測する。
 改元後、年度をまたぐまでの約3カ月は「昭和」の使用が続き、市役所は行政文書に訂正印を押すなどして対応した。
 平成と新元号が混在する事態について、担当者は「行政文書などは平成31年度のままでいいかどうか。国からは何の方針も示されていない」と、国の対応を見極める姿勢を示している。
 行政文書は国の方針に従い、元号使用が原則。市は改元を機に、西暦を全面使用することはせず、文書によって記載している西暦の併記を今後も続ける。