福島県南相馬市の太陽光や風力などによる再生可能エネルギー発電量が本年度、企業や一般家庭を含む市全体の消費電力の約50%に相当することが分かった。沿岸部の大規模太陽光発電施設(メガソーラー)がさらに稼働すれば来春までに70%を超える見込みだ。

 市は東京電力福島第1原発事故翌年の2012年、原子力に頼らない再生可能エネルギー推進ビジョンを策定。30年度までに導入比率100%を目指す。
 東日本大震災の津波被害に遭った市沿岸部で、復興整備計画に基づく再生可能エネルギー発電事業は図の通り。
 市によると、昨年は住友商事中心の特別目的会社が鹿島区で津波被災地最大級となる出力5万9900キロワットのメガソーラー「真野右田海老太陽光発電所」を、日立系の事業体が出力9400キロワットの「万葉の里風力発電所」を新設。電力会社への売電を始めた。
 昨年12月には住友商事系が原町区で、出力3万2300キロワットの「原町東太陽光発電所」を稼働。今月23日に現地で完工式を行う。
 内陸部の施設を含めた本年度の出力合計は約13万キロワットに達する見込み。年間の発電量想定は約2億1700万キロワット時で、一般家庭2万6000戸の消費電力だけでみれば既に100%を上回っているという。来春までに出力合計は約25万キロワットに達し、20年度の中間目標(65%)を上回る見込みだ。
 市復興企画部の庄子まゆみ部長は「被災地で再生可能エネルギーに先導的に取り組んできた。災害時に公共施設で使えるよう、促進を図るとともに、省エネにも取り組む。施設を観光にも結び付けたい」と話す。