宮城県気仙沼市は11日、同市波路上に整備してきた「気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館」が3月10日にオープンすると発表した。

 遺構は旧気仙沼向洋高校舎。津波で最上階の4階まで浸水した南校舎の1、3階と4階の一部、屋上、北校舎の一部を内部公開する。総合実習棟、生徒会館、屋内運動場は外部のみ公開する。校舎内に流れ込んだ乗用車、車が折り重なる渡り廊下などを見学できる。
 隣接する伝承館(鉄筋平屋、約1295平方メートル)は、大型スクリーンで津波の脅威を伝える映像シアター、語り部や映像で被災者の思いに触れる講話室、防災教育に活用する体験交流ホールなどを備える。
 総事業費は約12億円。国の復興交付金などを活用した。運営は市が行い、一部を指定管理者に委託する。
 菅原茂市長は「震災時の市民の生の声が入った津波の映像、被災の様子をそのまま残した校舎と共に脅威が伝わる」と話す。
 初年度は7万5000人の来場者を想定。約1500万円の赤字となる見込み。菅原市長は「赤字を出さない努力はするが、後世や災害が起こる可能性のある他地域に記憶や教訓を伝えるのは使命だ」と述べた。
 午前9時半~午後5時(10月から3月は午後4時まで)。月曜、祝日の翌日(土、日曜除く)、年末年始は休館。毎月11日、防災の日(9月1日)、世界津波デー(11月5日)は開館する。入館料は一般600円、高校生400円。小中学生300円。