◎ベトナム人と日本人の相互理解に力を注ぐ/ファム・ティー・ゴック・ジェップさん(24)

 留学生や技能実習生が仙台に暮らしていても、地域の人と親しく交流できる機会は少ない。留学した理由や将来の夢を仙台市民に広く発信しようと、在仙台ベトナム学生青年協会は昨年秋、スピーチ&写真コンテストを初開催し、成功させた。協会副会長として、1年前から実現のために奔走した。

 うまく日本語が話せずに、アルバイト先などで怒られつらい思いをした同胞は少なくない。「きつい言葉を発する前に、『ベトナム人は一生懸命に日本語の勉強を頑張っているんだ』ということを心の中で思ってほしい」と願う。

 英語圏への留学を考えていた高校時代、厳しい教育で有名なホーチミン市の日本語学校の存在を知った。同校出身者は、留学中も生活支援などが受けられることから入学を決意。1年間、毎日午前5時から午後10時まで猛勉強した。

 「母国で発酵食品を開発する会社を起業したい」。2015年4月から宮城大で学ぶ。2年前から、JR仙台駅近くにある携帯電話販売店でベトナム人向けの契約を担当するアルバイトを始め、同胞の知り合いが増えていった。

 近年、ベトナムは日本企業の進出が相次ぎ、日本に留学経験のある人材が求められている。来日するベトナムの若者は東日本大震災後に急増。仙台には昨年6月末時点で1664人が暮らし、中国、韓国に次ぐ多さとなっている。

 「ごみ出しや電車内のマナーなど、言語や生活習慣の違いからベトナム人に関するトラブルをよく耳にする」と心を痛める。仙台の日本語学校に通って日本の大学合格を目指している後輩たちのために、16年10月から週2回、夜間に日本語の自主勉強会を開き教えている。

 留学生の目には、仙台市民から受けた態度が日本という国の印象となって映る。「仙台の人にとっては、私たちがベトナムのイメージそのものになるのです」。まなざしに責任感がにじむ。(智)

[ファム・ティー・ゴック・ジェップ] 1994年ベトナム・カントー市生まれ。宮城大食産業学部フードビジネス学科に在学中。在仙台ベトナム学生青年協会は2月、母国の旧正月を紹介するイベントを仙台市内で開く予定。太白区在住。