徳島県産サツマイモの高級ブランド「鳴門金時」の苗を、東日本大震災の津波被害に遭った宮城県沿岸部などで栽培した「仙台金時」を使ったメニューが、続々登場している。生産者は、程よい甘みや繊維のない滑らかな舌触りをセールスポイントにフライドポテトや天ぷら、焼き芋などで消費者への売り込みを図っている。

 仙台金時の生産は、徳島県小松島市出身で農業兼飲食店勤務の浜松彰宏さん(55)=仙台市太白区=が2012年5月、農家仲間に呼び掛けて始まった。
 浜松さんが料理人として働く青葉区一番町の「牛たんのせんだい本店」では、宮城野区岡田で収穫した仙台金時のフライドポテト(1皿450円)や天ぷら(550円)、串焼き芋(400円)が、昨年12月からメニューにお目見えした。来店客から「県産金時は珍しい」「しっとりしていておいしい」と好評だ。
 大崎市の野菜ソムリエ渡辺裕之さん(61)らは、JR仙台駅西口で1月の毎週土日に焼き芋を販売中。重さによって1個200~600円。駅前ペデストリアンデッキに直結する商業ビル「イービーンズ」2階出入り口前に販売場所を構え、買い物客の注目を集めている。
 渡辺さんは同市鹿島台で仙台金時を育てている生産者でもあり、「地域活性化のアイテムとして根付かせたい」と力説。現在、県内の食品メーカーと連携し、菓子パンやスイートポテト、プリンの開発を進め、年内の発売を目指す。
 昨秋の仙台金時の収穫量は、7農家で計約15トン。サツマイモは塩害に強く、耕運機1台で生産を始められることから、浜松さんらは今年新たに生産に取り組む県内農家を募っている。連絡先は浜松さん090(3750)5678。